ふしぎな鈴「小桜姫とふしぎな鈴」10
「一日も早く、戦が終わりますように。どうか
みんなが無事でありますように」
姫は、一族のことを、毎日神様にお願いしました。
しかし、姫の祈りもむなしく、戦の最中に夫をは
じめ一族のほとんどが、城でうち死してしまった
のです。
姫は浜諸磯の先端の森の陰へ、仮家をつくり逃げ
ていました。そして、城が焼けおちるのを、対岸
のかくれ家で、悔しい思いでみていたのです。
「くやしい、くやしい・・・。なんとしても、に
くき北条をほろぼしたい」
心の優しい姫でしたが、三浦一族をほろぼした北
条を、姫はどうしても許すことができませんでし
た。こうして鎌倉時代から続いた豪族三浦一族は、
北条早雲によって滅ぼされてしまったのです。
つづく
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