きよと清太と、そして白駒


 きよと清太と、そして白駒38


「きよ。たのむ。とうちゃんの気持もわか
ってほしい」
長者は、きよのいうとおりだと思いつつ、
自分の娘には、家柄の良い青年と結婚して
ほしいと思うのでした。
それは、長者の親心でした。



「それはそうと、清太は、きよのことをど
う思っているんだい」
「清太さんの気持をたしかめたことはない
からわからないわ。でも・・・清太さんは、
私のことが好きだと思う」
「そうか。清太をここへよんでおいで」
「はい」
 きよは、清太をよびに行きました。



「清太さん。とうちゃんがよんでいるわ」
「長者が?」
「清太さんに聞きたいことがあるって」
「おらに聞きたいことって、何だろう?」
清太は、不安な気持で、長者の部屋へいそ
ぎました。



「長者さま。何かご用でしょうか」
「清太。そこへおすわり」
「はい」
清太は、何をいわれるのだろうかと、緊張
しました。


  つづく