きよと清太と、そして白駒


きよと清太と、そして白駒39


「清太。清太は・・・娘のきよのことを・・・
どう思う?」
「おじょうさまですか。おじょうさまは
美しいし、やさしいし、すてきなかただ
と思いますが」



「いや・・・清太・・・そういうことを
聞いているのではなくて、つまり・・・
その・・・清太は・・・きよのことが・・・
好きかどうか・・・と聞いているのだ」
長者は、どう聞いたらよいのかわからず、
口ごもってしまいました。



「おじょうさまのことなど、おらは何と
も思っていません」、清太がそういって
くれるのを、長者はひそかに期待してい
たのです。
ところが・・・。
「おら・・・いや私は、おじょうさまの
ことが大好きです。この家にお世話にな
った時から、おじょうさまのことが好き
でした」
清太は、長者の目をみて、きっぱりいい
ました。


つづく