竜の姿をみた少女10
「じゃあ、私だけ、あのおじいさんをみて
いるのかしら」
かなは、ふしぎに思いました。
八月末のある日。
むし暑い日でした。
かなは、湖のほとりで、またおじいさんに
会いました。
「暑いのぅ」
そういいながら、おじいさんはかなの横に
腰をおろしました。
「ぴゅー、ぴゅぅー」
湖の方から、涼しい風が吹いてきました。
「わぁー、いい風!」
「いい風じゃのぅ」
二人は、同時にさけびました。
「かな。おまえは、信じていた人に、うら
ぎられたことがあるかな」
「はい、あります」
「だれにうらぎられたの」
つづく
童話「竜の姿をみた少女」は、童話「竜神
になった三郎」の続編。
童話「竜神になった三郎」は、みほようこ
の二冊目の童話集「竜神になった三郎」に
収録されています。
童話「竜神になった三郎」
http://www.geocities.jp/dowakan/saburou1.html
童話集「竜神になった三郎」の紹介
http://www.geocities.jp/dowakan/douwasyuu2.html
http://www.bk1.co.jp/product/2434727