竜の姿をみた少女


   竜の姿をみた少女11


「一番仲が良かった友だち。友だちはね、
しらかば湖に竜がいるといいねといって
いたのに、いつのまにか竜なんていない
というようになったの。
あんなに楽しそうに、竜の話をしていた
のに・・・。なぜだろう」



「友だちは、なぜ気持がかわったのかな」
「みんなにいじめられたみたい。竜なん
て、この世にいるはずないって。
そんなことを信じているなんて、馬鹿じゃ
ないかっていわれたらしいわ」



「そうか。友だちにいじめられたのか。
竜など、だれもみたことがないから、竜
がいるなんて信じられないのだろうね」
おじいさんは、なぜかさみしそうな顔で
いいました。



「わしも、若いころ、信じていた兄たちに、
うらぎられたことがある。兄たちは、幼い
時からわしをうんとかわいがってくれた。
そんな兄たちが、わしをうらぎるなんて。
心から信じていた人に、うらぎられるのは
つらいものじゃのぅ」
おじいさんは、うらぎられた時のことを思
いだしたのか、つらそうな顔をしました。


つづく



童話「竜の姿をみた少女」は、童話「竜神
になった三郎」の続編。


童話「竜神になった三郎」は、みほようこ
の二冊目の童話集「竜神になった三郎」に
収録されています。



    童話「竜神になった三郎」


http://www.geocities.jp/dowakan/saburou1.html




    童話集「竜神になった三郎」の紹介


http://www.geocities.jp/dowakan/douwasyuu2.html



     ビーケーワン

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