かきつばたになった少女


 かきつばたになった少女2


かきつばたをみた人は、あまりの美しさに
びっくりしました。
「なんて美しい少女だろう。この世にこん
な美しい少女がいるのだね」と。



かきつばたは、姿が美しいだけでなく、笑
顔のすてきな、心のやさしい少女でした。
かきつばたのそばにいると、どの人もほっ
とし、心がなごみました。
そんな少女だったので、神様や女神さまた
ちから、「かきつばた、かきつばた」とい
って、かわいがられています。



「この間、霧が峰へ行ったら、女神さまの
ように美しい人たちに出会った。その中に、
とてもかわいい少女がいたよ」
霧が峰へ行くと、かわいい少女に会える
そうだ。その少女の名前は、かきつばたと
いうらしい」
そんなうわさが、八ヶ岳のふもとの村に流
れていました。


                つづく



「かきつばたになった少女」は、信州の霧ケ
峰高原に伝わっている「かきつばた」という
伝説をヒントにして、みほようこが書いた物
語。



「かきつばたになった少女」は、みほようこ
の四冊目の童話集・「ライオンめざめる」に
収録されています。


 
童話集「ライオンめざめる」は、昨年十月、
「鳥影社」から発行されました。




       童話集「ライオンめざめる」


http://www.geocities.jp/dowakan/douwasyuu4.html