笛の音よ、永久にひびけ


笛の音よ、永久にひびけ7


「今年は、葉をつけることができないかも
しれんのぅ。
いつ切りたおされるのだろうか」
かえでは、不安な気持で毎日を過ごしました。



「かえでのおじさん。森の木が、みんな切ら
れてしまうって、ほんとう?」
リスとかもしかがやってきて、聞きました。
「ほんとうだよ。わしも切られてしまうこと
になった」
「えっ、かえでのおじさんも?」
「ああ・・・わしもじゃ」



「森の木がなくなると、さみしくなってしま
うね。わたしたちは、これからどこで暮らし
たらよいのかしら」
「さあ・・・どこで暮らしたら良いかのぅ。
わしも、森の仲間たちのことが心配じゃ」
かえでが、さみしそうにいいました。


         つづく



童話「笛の音よ、永久にひびけ」は、スキー
大会の会場をつくるためにきりたおされた、
信州志賀高原の樹令200年の楓のお話。



童話「笛の音よ、永久にひびけ」は、
みほようこの四冊目の童話集「ライオン
めざめる」に収録されています。



おとうさんからもらった誕生日のプレゼン
ト、ライオンのロケット。
そのロケットには、何千年も前の謎が秘め
られていた。
表題作ほか、霧ケ峰高原を訪れたときに、
風の神様から聞いた3つのお話を収録。




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