ライオンめざめる


  ライオンめざめる5


「かな、それほんとうかい?」
「とうちゃん、ほんとうよ」
「とうちゃんは、金でできているライオン
が、うなるはずはないと思うけれどね」
「私も最初はそう思ったわ。金でできてい
るライオンが、うなるはずはないって。



でも、何度もうなり声を聞いているうちに、
このロケットの中に、だれかとじこめられ
ているのではないかと思うようになったの」
「そんなばかな・・・。とうちゃんは、か
なのいうことを信じたい。
でも、この話だけは、信じることができな
いね」
おとうさんは、こまったような顔をしまし
た。



さわやかな秋になりました。
かなとりゅうは、高原の小高い丘へ登りま
した。
りゅうは散歩が大好き。
かなの顔をみると、「散歩に行こう。ねえ、
散歩に行こうよぉ」と、大声でさいそくし
ます。


          つづく



童話「ライオンめざめる」は、みほようこ
の四冊目の童話集「ライオンめざめる」に
収録されています。



童話集「ライオンめざめる」は、昨年十月、
「鳥影社」から発行されました。







おとうさんからもらった誕生日のプレゼント、
ライオンのロケット。
そのロケットには、何千年も前の謎が秘めら
れていた。



http://www.bk1.jp/product/02719469
 

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