ライオンめざめる


ライオンめざめる10


おじいさんは、ライオンをそっと地面にお
ろしました。
すると、ライオンは足をふんばり、しっか
り立ちあがりました。



そして、あっという間に、五十センチくら
いの大きさのライオンになりました。
りゅうはわんわんなきながら、ライオンの
まわりを走りまわっています。



しばらくすると、ライオンはふつうの大き
さになりました。
「うおー」
ライオンが、うれしそうな声をあげました。
「かなさん、ありがとう。やさしいかなさ
んのおかげで、私は長いねむりからさめる
ことができました」
ライオンは、うれしそうにいいました。



かなはびっくりして、大きくなったライオ
ンをみています。
「少女よ、わしは諏訪の神・明神じゃ。
おまえはほんとうに心の優しい少女じゃのぅ。
わしは諏訪の地をあちこちみて歩いている
ので、おまえのことも、りゅうのことも、
よーく知っているぞ。


            つづく



童話「ライオンめざめる」は、みほようこ
の四冊目の童話集「ライオンめざめる」に
収録されています。



童話集「ライオンめざめる」は、昨年十月、
「鳥影社」から発行されました。






おとうさんからもらった誕生日のプレゼント、
ライオンのロケット。
そのロケットには、何千年も前の謎が秘めら
れていた。


信州の霧ケ峰高原を訪れた時に、「風の神様」
から聞いたお話。




http://www.bk1.jp/product/02719469
 

http://7andy.yahoo.co.jp/books/detail?accd=31785511