竜神になった三郎


  竜神になった三郎22


すると・・・。
「三郎、いろいろ大変じゃったのぅ。おまえ
の妻は、私の娘じゃ。
三郎よ、娘を大切にしてくれてありがとう。



おまえがどんなに心の優しい人間か、よくわ
かった。これからは、娘とともに諏訪湖に住
み、この地方の人々を、しっかり守っておく
れ。三郎、頼むぞー」
どこからかおごそかな声が聞こえてきました。



竜神になった三郎は、今も諏訪湖の奥深くに
住み、妻と二人で仲良く暮らしています。
「三郎さーん」
「おっかあー」
諏訪湖のほとりにたたずみ、湖をながめてい
ると、三郎夫婦の声がどこからか聞こえてく
るそうです。  


       おわり



 「竜神になった三郎」は、みほようこの二
冊目の童話集・「竜神になった三郎」に収
録されています。








竜神になった三郎」は、2004年4月、
信州の「諏訪大社」の御柱祭にあわせ、
「鳥影社」から発行されました。
挿絵は、長野ひろかず先生。



湖につき落とされた三郎が、地の神に助けら
れ、心のやさしさゆえに、竜神となる表題作
ほか、守屋山の明神様にまつわる、福寿草
少女の話を収録。


信州諏訪の「風の神様」から聞いた話をまと
めた第2弾。