女神さまとの約束


   女神さまとの約束2


ちらちら降っていた雪も、いつのまに
ぼたん雪にかわりました。
雪は、どんどん積もっていきます。
庭も畑も山も、雪で真っ白になりまし
た。
そして、夕方には、吹雪になりました。



その夜のことです。
「とんとん、とんとん」
だれか玄関の戸をたたいています。
「こんなにおそく、だれだろう? 
しかも、こんな大雪の夜に」
長者とふくは、おもわず顔をみあわせ
ました。



「どなたかな?」
長者が、やさしく声をかけました。 
「旅の者です。今晩一晩、泊めていた
だけないでしょうか」
戸をあけると、貧しいみなりの人が立
っていました。


          つづく



信州の佐久地方には、「白駒の池」と
いう伝説があります。
「女神さまとの約束」は、「白駒の池」
の伝説をヒントにして、みほようこ
書いた物語。