女神さまとの約束


    女神さまとの約束7


そんなある朝。
「とんとん、とんとん」
玄関の戸をたたく音がしました。
「こんなに朝早く、だれだろう?」
ふくは、いそいで玄関の戸を開けまし
た。



すると、白い馬が立っていました。
馬は、口に手紙をくわえています。
「だれからの手紙かしら」
ふくは、手紙を読みました。



「私は、八ヶ岳の女神です。大雪の
夜、あなたの家に泊めていただいた
者です。
あの夜のことを、おぼえていますか。
あなたは、ほんとうに心のやさしい
娘ですね。



あなたのことは、小さな時からよく
知っていますよ。
私が、おとうさんを助けてあげまし
ょう。
この白い馬に乗って、黄金色の花を
さがしなさい。
黄金色の花は、八ヶ岳の山の中に咲
いています。


           つづく



信州の佐久地方には、「白駒の池」と
いう伝説があります。
「女神さまとの約束」は、「白駒の池」
の伝説をヒントにして、みほようこ
書いた物語。