女神さまとの約束34
「ふくちゃん。ありがとう。歩けるよ
うになってほんとうにうれしいわ。
これからは、毎日家のまわりを散歩す
るね」
そういって、おばあさんは家に帰って
いきました。
白駒は、一人が元気になると、またど
こからか次の病人をつれてきました。
足腰もたたない病人を、どうやってこ
の岩場につれてくるのか、ふくはふし
ぎに思いました。
ふくは、白駒がつれてきた人の体を、
黄金色の花びらで、やさしくさすって
あげます。
すると、今にも死にそうだった人が、
何日かすると元気になりました。
早い人は一週間くらいで、長い人でも
一ヵ月もすると、元気になって家に帰
っていきます。
つづく
信州の佐久地方には、「白駒の池」と
いう伝説があります。
「女神さまとの約束」は、「白駒の池」
の伝説をヒントにして、みほようこが
書いた物語。