女神さまとの約束


  女神さまとの約束39


白駒は、こまってしまいました。
「三日くらいだったら、だいじょうぶ
だろう」
そう思った白駒は、しぶしぶふくを家
に送っていきました。
「ふくさん、三日間だけですよ。三日
たったら、迎えにきますからね」
そういって、白駒は帰って行きました。



「とうちゃん、ただいま。帰ってきたよ」
「ふく。女神さまとの約束は、どうし
たのかね。約束を守らないと、大変な
ことになるというではないか。
だいじょうぶかい」



「とうちゃん。三日たったら、また硫
黄岳へもどるから、だいじょうぶだよ」
「そうか、じゃあ、ゆっくり休んでお
いき」
長者は、ふくに会えてうれしそうでした。



            つづく



信州の佐久地方には、「白駒の池」
という伝説があります。



「女神さまとの約束」は、「白駒
の池」の伝説をヒントにして、
みほようこが書いた物語。