守屋山に黄金色の花が咲いた


  守屋山に黄金色の花が咲いた5


少女は守屋山にむかって、足早に歩い
て行きました。
守屋山についた少女は、山の中をあて
もなく歩きまわりました。



黄金色の花といっても、どんな形をし
ているのか、どのくらいの大きさなの
か少女にはわかりません。
でも少女は黄金色の花をみつけようと
必死でした。



春がきたといっても、山の春はおそく、
木の芽がほんの少しふくらんでいるだ
けでした。
どこをさがしても、黄金色の花などあ
りません。枯葉が一面に落ちているだ
けでした。



あちこち歩きまわり疲れた少女は、枯
葉の上に腰をおろしました。
そしていつの間にかねむってしまった
のです。


              つづく



童話「守屋山に黄金色の花が咲いた」
は、みほようこの初めての童話集「風
の神様からのおくりもの」に収録され
ています。








風の神様からのおくりもの―諏訪の童話

風の神様からのおくりもの―諏訪の童話




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