守屋山に黄金色の花が咲いた8
少女は家に帰り、明神さまからいただ
いた黄金色の花を、兄にみせました。
兄は黄金色の花をみてにっこり笑いま
した。
「兄ちゃんはきっとよくなる。兄ちゃ
んはきっと優しい人になれる」
少女は何年ぶりかの兄の笑顔をみてそ
う思いました。
重かった少女の心は、兄の笑顔をみて、
少し軽くなりました。
それから四百年がたちました。
雪がとける頃、守屋山のふもとの村で
は、たくさんの黄金色の花が咲きます。
心の優しい少女が咲かせた黄金色の花
が、今では何万本にも増え、みごとに
咲いています。
つづく
童話「守屋山に黄金色の花が咲いた」
は、みほようこの初めての童話集「風
の神様からのおくりもの」に収録され
ています。
童話集「風の神様からのおくりもの」は、
信州諏訪の「風の神様」から聞いたお話。
- 作者: みほようこ,長野ひろかず
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