井戸で鳴く黄金色のにわとり


 井戸で鳴く黄金色のにわとり14


五分後。
「ぶすっ」
淵から、にぶい音が聞こえてきま
した。
兵士たちの打った矢があたったの
でしょうか。
淵の水が真っ赤になりました。



あたりが真っ暗になったかとおも
うと、
「ごろごろっ」
「ごろごろ」
雷が鳴り出しました。
耳がさけてしまいそうな、すさま
じい雷でした。



「ぴかっ、ぴか」
「ぴかっ」
真っ暗な空に、黄金色のいなずま
が走ります。
何かがいかりくるっているかのよ
うでした。


             つづく



「井戸で鳴く黄金色のにわとり」
は、信州伊那谷の大島城」に伝
わっている伝説をヒントにして、
みほようこが書いたもの。