井戸で鳴く黄金色のにわとり


 井戸で鳴く黄金色のにわとり15


「ぴしゃっ、ぴしゃ」
「ぴしゃっ」
大きな音をたて、雷がいくつも落
ちました。



ますますはげしい雷雨になりました。
空からは、血なまぐさい雨が降っ
てきます。
すさまじい雷雨に驚いた三河軍は、
安全な場所へ避難しました。



三十分後。
大雨により、城の火も消えました。
「やれやれ」
「火が消えてよかった。あのまま
火が燃えていたら、わしらは全滅
じゃ」
城の中にいた人々は、ほっと胸を
なでおろしました。



しかし、油断はできません。
いつまた、織田軍がせめてくるか
わかりません。


             つづく



「井戸で鳴く黄金色のにわとり」
は、信州伊那谷の大島城」に伝
わっている伝説をヒントにして、
みほようこが書いたもの。