井戸で鳴く黄金色のにわとり


  井戸で鳴く黄金色のにわとり16


気がつくと、空はからっと晴れて
いました。
太陽も顔をだしています。
「それっ、今だ。気をひきしめ、
再び大島城をせめろ」
信忠は、兵士たちにむかってさけ
びました。



「おぅー」
「おー」
三河軍の兵士たちは大声をあげ、
再び大島城をせめてきました。
火のついた矢が、あちこちからと
んできます。
城に、再び火がつきました。
城は、たちまち火の海になりました。



矢だけでなく、火のついた石もと
んできます。
「きゃぁー」
「助けてー」
城内にいた人々は、安全な場所を
さがし逃げまわりました。


             つづく



「井戸で鳴く黄金色のにわとり」
は、信州伊那谷の大島城」に伝
わっている伝説をヒントにして、
みほようこが書いたもの。