井戸で鳴く黄金色のにわとり


   井戸で鳴く黄金色のにわとり20


「こっこ。守ってあげられなくて、
ごめんね。大好きなこっこと一緒
だから、私は何もこわくないわ」
そういうと、姫はにわとりをだい
て、井戸にとびこみました。



「ぽちゃーん」
井戸の中から、大きな音がしました。
「姫が、井戸にとびこんだぞー」
兵士が、さけびました。



うすれゆく意識の中で、姫は思い
ました。
「戦のない平和な世の中は、いつ
くるのだろうか。一日も早く平和
な世の中になってほしい」と。



次の朝。
「姫は、無事か」
「それが・・・」
「姫は、どうしたのじゃ」


            つづく



「井戸で鳴く黄金色のにわとり」
は、信州伊那谷の大島城」に伝
わっている伝説をヒントにして、
みほようこが書いたもの。