小さな音楽会6
その日から、ひろはおもちゃのピ
アノで、いろいろな曲をひくよう
になりました。
神様は、目のかわりに、ひろに素
晴らしい耳をプレゼントしてくれ
たのでしょうか。
四才の誕生日に、おとうさんは本
物のピアノをプレゼントしてくれ
ました。
ひろは、小さな手で、一生けんめ
いピアノをひきました。
ひろのそんな姿をみて、おかあさ
んは思いました。
「もしかしたら、ひろはピアニスト
になれるかもしれない」と。
六月十日。
今日は、ひろの六才の誕生日。
ひろは、庭へくる小鳥たちに、今
までにおぼえた曲を、聞かせてあ
げようと思いました。
ひろは、いつものように静かにピ
アノをひきはじめました。
つづく