あげはちょうになって


    あげはちょうになって6


「ご先祖さま。さあ、一緒に家に
帰りましょうね」
かながそういった時、お墓の中か
ら、一羽のあげはちょうが飛び立
った。



「おじいちゃん、あげはちょうが・・・」
「かな、みてごらん。あげはちょう
だよ」
二人は、同時にさけんだ。



あげはちょうは、ひらひら舞いな
がら、二人の後をついてきた。
「ひろが、あげはちょうになった
のだわ」
かなは、そう思った。



あげはちょうは、家までついてきた。
そして、いろいろな花が咲いてい
る庭で、楽しそうに遊んでいた。
あげはちょうは、たまのかんざし
の花が気に入りらしく、花のまわ
りをまったり、花の上で休んだり
している。


             つづく