白駒の池物語


  白駒の池物語9


「白駒。良かったね」
白駒もうれしそうでした。
「おじょうさまは、ほんとに白駒
が好きなんだね」
「私、白駒が大好き」



「わしも、白駒が大好きじゃ。
白駒は、やさしい目をしている。
わしは、若い時から、庄屋さんの
家で馬の世話をしてきたが、こん
な利口な馬は初めてじゃ」
おじいさんが感心したようにいい
ました。



「おじいさん。白駒を、散歩につ
れていってもいい」
「いいですよ」
「白駒、散歩に行くよ」
きよが声をかけると、白駒はきよ
の後をおとなしくついてきました。
きよと白駒は、天気の良い日には、
毎日散歩しました。


           つづく



「白駒の池物語」は、信州佐久にあ
る「白駒の池」に伝わっている話を
ヒントにして、みほようこが書いた
物語。