白駒の池物語


  白駒の池物語12


「清太さん。もう白駒に会ったの」
「はい。今、白駒に会ってきました。
雪のように白い、美しい馬ですね。
白駒は、やさしい目をしている。
あんなすてきな馬の世話ができる
なんて、おれ幸せです」
清太は、白駒が気にいったようで
した。



きよは、清太の顔をみた時、いつ
かどこかで会ったことがあるよう
な、とてもなつかしい気がしました。
「どこで会ったのかしら」
でも、どこで会ったのか、思い出
せませんでした。



一方、清太は、きよの顔をみた時、
「あっ、ふくちゃん」と、さけび
そうになりました。
朝日長者の娘、ふくにそっくりだ
ったからです。


           つづく



「白駒の池物語」は、信州佐久にあ
る「白駒の池」に伝わっている話を
ヒントにして、みほようこが書いた
物語。