白駒の池物語


  白駒の池物語23


「私、いやぁー、山の神様ぁー、
お願いだぁーという木遣りの声が、
今でも耳に残っているわ」



「おらは、宮川の近くの丘の上か
ら、川越しをみた。
激流の中を、御柱が無事に川をわ
たりおえた時は、感激したな」
清太は、川越しの様子をくわしく
話してくれました。



御柱の川越しも、木落としも、
命がけなんでしょうね」
「祭のたびに、けが人がでるらしい。



山奥から、巨大な樅の木をひいて
きて、四つの神社に十六本もの柱
を建てるのだから、御柱祭ってふ
しぎなお祭だね」
きよと清太は、何年か前にみた御
柱祭をなつかしく思い出しました。


            つづく



「白駒の池物語」は、信州佐久にあ
る「白駒の池」に伝わっている話を
ヒントにして、みほようこが書いた
物語。