白駒の池物語


  白駒の池物語29


「そう、仏炎苞。仏の炎の苞と書
くんだよ」
清太は、地面に「仏炎苞」と書き
ました。



「そして、黄色の部分が、花だよ。
座禅草はね、雪が降っても、霜が
おりても、二十数度に体温を保っ
ているんだって。



その体温で、雪をとかして芽をだ
すそうだよ。
座禅草のような植物を、発熱植物
というんだって」



「清太さんは、何でも知っている
のね」
かあちゃんが教えてくれたんだ。
かあちゃんは、花や小鳥が大好き
なんだ。
きよちゃんにも、いつかかあちゃん
を紹介するね」



清太は、何をいっているのだろう
と思いました。
長者のおじょうさまが、貧しいお
らの家に遊びにくることなんて、万
に一つもないのに・・・と。



でも、かあちゃんに、きよちゃん
を紹介することができたらどんな
にいいだろうと、清太は思いました。


            つづく



「白駒の池物語」は、信州佐久にあ
る「白駒の池」に伝わっている話を
ヒントにして、みほようこが書いた
物語。



初めてこの物語を読んでくださった
かたへ


    白駒の池物語1


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20080807#p1



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