白駒の池物語


 白駒の池物語46


「清太さん。何でも話して。
かくしごとはいやよ」
「白駒。きよちゃんに、あの話を
してもいいかな」
清太は、白駒に聞きました。



「話してもいいよ」というように、
白駒は「ひひーん」となきました。
「おらが長者の家へきて、十日く
らいたった頃かな。
夜中に、白駒がどこかへ走ってい
く夢をみて、びっくりしてとびお
きた。



おらは、心配になって馬小屋をの
ぞいた。
そうしたら、白駒がいなかった。
おら、びっくりして、ひっしで白駒
をさがして歩いた。



一時間後、白駒は何くわぬ顔でも
どってきた。
長者のじまんの馬が、このまま帰
ってこなかったらどうしようと、
おらは心配でたまらなかった」



清太は、ぽつりぽつりと、白駒が
いなくなった時の様子を話してく
れました。


             つづく



「白駒の池物語」は、信州佐久にあ
る「白駒の池」に伝わっている話を
ヒントにして、みほようこが書いた
物語。



   昨日の分は、こちら。


   白駒の池物語45


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20080920#p1




初めてこの物語を読んでくださった
かたへ


    白駒の池物語1


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20080807#p1



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