白駒の池物語


  白駒の池物語51


しばらくして、きよが改まった口
調でいいました。
「清太さん。私、縁談の話があるの。
ほら、清太さんも知っている小諸
の次郎さん。
次郎さんと所帯をもったらどうか
といわれているの。



次郎さんは、とうちゃんの姉の二
番目のこども。
次郎さんが、うちへ養子にきても
いいといっているらしいの」



「おれ、長者のお使いで、何度も
次郎さんの家へ行った。
おじさんもおばさんもいいかただ
し、次郎さんもやさしそうだし、
いい話だと思うけれどね」



「たしかに、次郎さんは、やさし
い人だわ。でも・・・次郎さんって、
小さな時から、人のいうままなの。
だから、わが家へきても、とうちゃ
んのいうままだと思うわ。
私、人のいいなりになっている次郎
さんを、どうしても好きになれない
の」


          つづく



「白駒の池物語」は、信州佐久にあ
る「白駒の池」に伝わっている話を
ヒントにして、みほようこが書いた
物語。



   昨日の分は、こちら。


   白駒の池物語50


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20080925#p1




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    白駒の池物語1


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20080807#p1



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「白駒の池」の写真


http://www.geocities.jp/dowakan/tegami56.html