白駒の池物語


  白駒の池物語52


「次郎さんの家は庄屋だし、お金
もちだし、みんなやさしいし、き
よちゃんの結婚相手として、何の
不足もないと思うけれどね」
清太がいいました。



すると・・・。
「清太さんは、私の結婚相手は、
家柄がよくて、お金もちなら、そ
れでいいの」
いつもおだやかなきよが、強い口
調でいいました。



こんなきよをみたことがなかった
ので、清太はびっくりしました。
「おれ、何かきよちゃんが気にさ
わるようなことをいったかな」
清太は、心の中でそっとつぶやき
ました。



「私は、貧乏でもいい。体の丈夫な、
心の清い、自分の考えをしっかり
持った人と結婚したい。
そりゃあ、お金はあったほうがい
いけれど、二人でまじめに働けば、
食べていけると思うの」
「・・・・・」


           つづく



「白駒の池物語」は、信州佐久にあ
る「白駒の池」に伝わっている話を
ヒントにして、みほようこが書いた
物語。



   昨日の分は、こちら。


   白駒の池物語51


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20080926#p1




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    白駒の池物語1


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20080807#p1



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「白駒の池」の写真


http://www.geocities.jp/dowakan/tegami56.html