白駒の池物語


  白駒の池物語58


「きよちゃん。家に帰ろう。
長者が心配しているといけないから」
「そうね。帰りましょう。
今夜は、ゆうすげの花をみることが
できて、うれしかったわ。
清太さん、ありがとう」
「おらこそ、ありがとう」
清太が、笑顔でいいました。



空には、まんまるの月がでています。
星もきらきら輝いています。
用意してきたちょうちんも必要ない
ほどの明るさでした。
二人は、白駒の背にのり、家にいそ
ぎました。



「とうちゃん。ただいま」
「ただいまもどりました。おそくな
ってすみません」
「おかえり。遅いからどうしたのか
と心配していたのだよ」
長者が、ほっとした顔でいいました。


            つづく



「白駒の池物語」は、信州佐久にあ
る「白駒の池」に伝わっている話を
ヒントにして、みほようこが書いた
物語。



   昨日の分は、こちら。


   白駒の池物語57


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20081002#p1




初めてこの物語を読んでくださった
かたへ


    白駒の池物語1


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20080807#p1



「次の日」「次の日」と押せば、
「白駒の池物語」を続けて読む
ことができます。