白駒の池物語


  白駒の池物語59


「とうちゃん。ゆうすげの花って、
きれいな花ね。
私、時間がたつのもわすれて、ゆ
うすげの花をみていたの。
おそくなってごめんなさい」



「無事に帰ってくれば、それでい
いのだよ。
清太、遅くまでごくろうさん。
ふろに入って、早くおやすみ」
長者が、清太に声をかけました。



第五章 きよと清太と長者。
    それぞれの思い


      
八月のある日。
「きよ、ちょっと」
「とうちゃん。何」
「きよは、いとこの次郎のことを、
どう思っているんだい」



「次郎さんは、やさしい人だわ。
でも、私は、次郎さんと結婚する
気はありません」
きよは、きっぱりいいました。


             つづく


「白駒の池物語」は、信州佐久にあ
る「白駒の池」に伝わっている話を
ヒントにして、みほようこが書いた
物語。



   昨日の分は、こちら。


   白駒の池物語58


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20081003#p1




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    白駒の池物語1


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20080807#p1



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