白駒の池物語


  白駒の池物語60


「なぜ」
「私、人のいうままになっている
次郎さんを、どうしても好きにな
れないの。
それに、次郎さんはなんだかたよ
りないし」



「たしかに、次郎にはそういう所
がある。
庄屋の仕事は、大変だ。村の人た
ちの先頭にたって、いろいろやっ
ていかなくてはならないからね。



わが家の仕事を安心してまかせら
れる人が、きよのむこになってく
れるといいのだが」
結婚とは難しいものだと、長者は
思いました。


 
「きよ。おまえには、好きな人が
いるのかい」
「はい。います」
「とうちゃんが知っている人かな」
「清太さん」
「清太?・・・清太って、わが家で働
いている清太かい」


            つづく



「白駒の池物語」は、信州佐久にあ
る「白駒の池」に伝わっている話を
ヒントにして、みほようこが書いた
物語。



   昨日の分は、こちら。


   白駒の池物語59


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20081004#p1




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    白駒の池物語1


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20080807#p1



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