白駒の池物語


  白駒の池物語64


「きよ。そうはいかない。
とうちゃんのわがままだというこ
とは、よくわかっている。
とうちゃんは、庄屋の娘が使用人
と結婚したなんて、村の人たちか
らいわれたくないのだ」



「私は、なんといわれようと平気
だわ。清太さんは、人間としてり
っぱな人だもの。
清太さんは、誰からも好かれてい
るわ」



「きよ、たのむ。とうちゃんの気
持も、わかってほしい」
長者は、きよのいうとおりだと思
いました。
でも、きよには、家柄のいい青年
と結婚してほしいと思うのでした。
それは、長者の親心でした。



「それはそうと、清太はきよのこ
とをどう思っているんだい」
「清太さんの気持をたしかめたこ
とはないから、わからないわ。
でも、清太さんは、私のことが好
きだと思う」
きよは、そう答えました。


           つづく



「白駒の池物語」は、信州佐久にあ
る「白駒の池」に伝わっている話を
ヒントにして、みほようこが書いた
物語。



   昨日の分は、こちら。


   白駒の池物語63


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20081008#p1




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    白駒の池物語1


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20080807#p1



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