白駒の池物語


  白駒の池物語69


どのくらいの時間がすぎたのでしょ
うか。
清太にも、長者にも、長い時間がす
ぎたように感じました。



「清太。おまえは、何もかもわか
っているのだね。
清太の家が、わが家と同じくらい
の家柄だったら、どんなにいいだ
ろう。私はずっとそう思っていた
のだよ」
長者は、落ち着きをとりもどし、
静かに話し始めました。



「清太。大きな声を出してごめん。
つい興奮してしまって・・・。
ほんとに申し訳ない」
長者は、清太にあやまりました。



「いいえ、私こそ失礼なことをい
い申し訳ありません。
先日、霧ケ峰高原へゆうすげの花
をみに行った時、おじょうさまから
縁談の話を聞きました。
でも、私は、おじょうさまに自分
の気持を伝えることができません
でした。


            つづく



「白駒の池物語」は、信州佐久にあ
る「白駒の池」に伝わっている話を
ヒントにして、みほようこが書いた
物語。



   昨日の分は、こちら。


   白駒の池物語68


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20081013#p1




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    白駒の池物語1


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20080807#p1



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