白駒の池物語


  白駒の池物語72


でも、心の中では、こうさけんで
いたのです。
「おらは、きよちゃんと結婚でき
るような家に生まれたかった。
そして、きよちゃんと結婚したか
った」と。



「清太。八年間、よく働いてくれ
たね。ありがとう。
これは、私の気持だ。これだけあ
れば、三ヵ月くらいはなんとか暮
らせるだろう。



その間に、次の仕事をみつけなさ
い。清太なら、きっといい仕事が
みつかる」
そういって、長者は、清太にお金
をわたしました。



「ありがとうございます。
この八年間、長者さまには、わが
子のようにかわいがっていただき
ありがとうございました。



私は、幸せ者です。長者さまはじ
め、この家で働いている人たちに
親切にしていただいたこと、一生
忘れません。
どうか、おじょうさまに、清太は
幸せでしたとお伝えください。
お願いします」


            つづく



「白駒の池物語」は、信州佐久にあ
る「白駒の池」に伝わっている話を
ヒントにして、みほようこが書いた
物語。



   昨日の分は、こちら。


   白駒の池物語71


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20081016#p1




初めてこの物語を読んでくださった
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    白駒の池物語1


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20080807#p1



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