白駒の池物語


  白駒の池物語78


「きよちゃんと一緒にきたかった
な」
そう思うと、急に涙がでました。
清太は、こらえきれずに大声で泣
きました。
五分後、思いっきり泣いたせいか、
気持がすーと楽になりました。



麦草峠の近くに、もみやつがなど
の原生林があると聞いたけれど、
どこにあるのだろうか。
清太は、森の中をあちこちさがし
ました。
でも、もみやつがの木は、どこに
もありません。



清太は、倒れた木の上で、一休み
しました。
持っているおにぎりは、三つだけ。
どんなに腹がへっていても、全部
食べてしまうわけにはいきません。
清太は、おにぎりを一つだけ食べ
ました。
水も一口だけ飲みました。


           つづく



「白駒の池物語」は、信州佐久にあ
る「白駒の池」に伝わっている話を
ヒントにして、みほようこが書いた
物語。



   昨日の分は、こちら。


   白駒の池物語77


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20081022#p1




初めてこの物語を読んでくださった
かたへ


    白駒の池物語1


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20080807#p1



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