白駒の池物語


  白駒の池物語81


八年間、おらのことを、実のこども
のようにかわいがってくれた長者が、
あんなひどいことをいうなんて・・・。
清太は、長者の気持がわかりません。



長者は、おらのことを、よく働く使
用人としかみていなかったのか?
おらの家は、貧乏だ。
でも、とうちゃんもかあちゃんも、
毎日一生けんめい働いている。
そんな両親を否定されたような気が
し、清太はみじめな気持でいっぱい
だったのです。



清太は、貧乏がつらいと思ったこと
は、一度もありません。
でも、今回だけは、貧乏とは、つら
く悲しいものだなと思いました。



清太は、湖のほとりで、ゆっくり休
みました。
長者の家で暮らした八年間が、昨日
のことのようになつかしく思い出さ
れました。


           つづく



「白駒の池物語」は、信州佐久にあ
る「白駒の池」に伝わっている話を
ヒントにして、みほようこが書いた
物語。



   昨日の分は、こちら。


   白駒の池物語80


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20081025#p1




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    白駒の池物語1


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20080807#p1



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