白駒の池物語


 白駒の池物語88


その日の夕方。
「とうちゃん。清太さんが、まだ
帰ってこないの。
清太さんは、今日どこへ行ったの」



「清太は、用事があり、遠くの村
へ行った。用事がすめば帰ってくる。
だから、心配しなくても、だいじょ
うぶだよ」
長者は、苦しまぎれにそういいま
した。



「でも、白駒は、馬小屋にいるわ。
おつかいの時、清太さんはいつも
白駒に乗って行くのに、なぜ? 
それに、ほかの馬も、全部馬小屋
にいるし。
清太さんは歩いていったの」
きよは、なんか変だなと思いました。


 
それから、一週間がすぎました。
でも、清太は帰ってきません。


              つづく



「白駒の池物語」は、信州佐久にあ
る「白駒の池」に伝わっている話を
ヒントにして、みほようこが書いた
物語。



     昨日の分は、こちら。


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20081101#p1




初めてこの物語を読んでくださった
かたへ


    白駒の池物語1


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20080807#p1



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