白駒の池物語89
「とうちゃん。清太さんは、もう
この家にもどってこないのではな
いの。ほんとうのことをいって」
「きよ。とうちゃんを許してほしい。
清太は、もうこの家にはもどって
こない。清太には、出ていっても
らったのだ」
「とうちゃん。清太さんが、何か
したの」
「いや・・・清太は、何もしない。
ただ・・・清太が・・・きよを・・・大好
きだといったからだ。
結婚することができない若い二人
が、同じ屋根の下で暮らすわけに
はいかないからね」
きよは、そんなことではないかと、
心配していたのです。
「とうちゃん。清太さんは、今ど
こにいるの。諏訪へ帰ったの」
「清太は、諏訪の家には、もどっ
ていないそうだ。
どこへ行ってしまったのだろうね」
つづく
「白駒の池物語」は、信州佐久にあ
る「白駒の池」に伝わっている話を
ヒントにして、みほようこが書いた
物語。
昨日の分は、こちら。
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20081102#p1
初めてこの物語を読んでくださった
かたへ
白駒の池物語1
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20080807#p1
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