明神さまの姿をみた少女


  明神さまの姿をみた少女10


「少女よ、よくきたのー。
わしはおまえに会える日を、ずー
と待っていたぞ。
わしは、諏訪の神・明神じゃ。



さっき松虫草のまわりをまってい
た赤いちょうは、くじゃくちょう
というのじゃ。
この高原にきても、くじゃくちょう
はめったにみれんぞ。



心の優しい少女がこの高原にきた
時、赤いちょうはどこからかでて
くるのじゃ。
今までくじゃくちょうの舞をみた
ものは、一人もいないぞ。
おまえだけじゃ。



わしもあそこでみていたが、うっ
とりするような、美しい舞じゃっ
たのー」
その声は少年の声ではなく、いつ
か聞いたことのある明神さまの声
でした。


            つづく



     昨日の分は、こちら。


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20081219#p1/



「明神さまの姿をみた少女」は、
みほようこの初めての童話集
「風の神様からのおくりもの」に
収録されています。



童話集「風の神様からのおくりもの」
は、信州諏訪の「風の神様」から聞
いたお話。 







風の神様からのおくりもの―諏訪の童話

風の神様からのおくりもの―諏訪の童話




http://www.bk1.jp/product/02056682




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