黄金色のまゆ玉7
「そうだ。今度は、湖の向こう側
へ先まわりして待っていたらどう
だろう」
「おお、そうすれば、うまくいく
かもしれないぞ」
青年たちは、湖の向こう側へ先ま
わりして、明神さまを待つことに
しました。
でも、明神さまの行き先をつきと
めることはできませんでした。
そんなある日。
「明神さま。このごろ、奥さんの
顔をみかけないけれど、奥さんは
元気かのぅ」
「ああ。元気じゃよ。妻は用事が
あって、里へ帰ったのじゃ」
「それにしても、長いのぅ。
奥さん、どうかしたのかね」
つづく
昨日の分は、こちら。
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20090108#p1
信州の諏訪湖には、「おみわたり」
の伝説があります。
「黄金色のまゆ玉」は、おみわたり
の伝説をヒントにして、みほようこ
が書いた物語。