黄金色のまゆ玉


  黄金色のまゆ玉8


「どうもしないよ。今に帰ってく
るじゃろ」
奥さんのことをたずねると、明神
さまはなぜか困った顔をしました。



「明神さまと奥さま、けんかした
のではないかしら。
そして、奥さまが家をでていって
しまったのかもしれないよ」
「まさか・・・」
「あんなに仲のいい夫婦ですもの、
けんかなんかしないでしょ」



「夫婦ですもの、けんかくらいす
るわよ。
だから、明神さまは奥さんのこと
が心配で、真夜中にそっと様子を
みにいくのではないかしら」
「そうかもしれないね」
村の人たちは、そういって奥さん
のことを心配しました。


 
それにしても、明神さまは、真夜
中どこへ行くのでしょうか。


           つづく



    昨日の分は、こちら。


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20090109#p1



信州の諏訪湖には、「おみわたり」
の伝説があります。
「黄金色のまゆ玉」は、おみわたり
の伝説をヒントにして、みほようこ
が書いた物語。