黄金色のまゆ玉15
友だちには、こどもが一人います。
そのこどもが、重い病気にかかり、
今にもしにそうでした。
「明神や、おまえに頼みたいこと
がある。聞いてくれるか」
「頼みたいことって、なんじゃ」
「明神よ、わしのこどもを助けて
ほしい。
おまえが持っている黄金色のまゆ
玉を手にすると、どんな病気でも
なおるというではないか。
そろそろ次のまゆ玉が授かるころ
だね。
次のまゆ玉が授かったら、そのま
ゆ玉を、しばらくわしのこどもに
かしてほしい。
なあ、頼む。明神」
「そういわれてもな。実は、次の
まゆ玉が授かったら、妻にかして
あげると約束してしまったのじゃ」
つづく
昨日の分は、こちら。
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20090116#p1
信州の諏訪湖には、「おみわたり」
の伝説があります。
「黄金色のまゆ玉」は、おみわたり
の伝説をヒントにして、みほようこ
が書いた物語。
初めて読んでくださったかたへ
黄金色のまゆ玉1