平成の歌36


雨止みし夕べの庭に色褪せし

   アヤメの花の雫滴るるを摘む



墓掃除終りて在りし日夫の植ゑし

   ハナノキの木陰に娘と茶をのむ



株張らず早続きに下草枯れし

   里芋に深々と土寄せをする



餅を焼き大根を煮てごぜ達を

   もてなし居りし母の面影