風の神様からのおくりもの12
とくにこの頃は、人々に優しさが
なくなり、「自分さえよければ、他
人はどうなってもよい」という人
がほとんどです。
だからニ千年位たたないと、黄金
色のまゆ玉は手にはいらなかった
のです。
黄金色のまゆ玉は、この地方に住
んでいる人々の優しさをしめす、
鏡のようなものでした。
次の日の朝。
窓をあけたおばあさんは、縁側で
きらっきらっと光っているものを
みつけました。
「なにかしら」
近づいてみると、黄金色の小さな
まゆ玉でした。
大きさは普通のまゆ玉の半分位。
つづく
「風の神様からのおくりもの」は、
みほようこの初めての童話集・
「風の神様からのおくりもの」に
収録されています。
心を病む兄のために、明神様にお参
りする心優しい少女の話など4編。
信州諏訪の「風の神様」から聞いた
お話。
挿絵は長野博一先生。
心温まる創作童話。
- 作者: みほようこ,長野ひろかず
- 出版社/メーカー: 鳥影社
- 発売日: 2001/08
- メディア: 単行本
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