風の神様からのおくりもの


 風の神様からのおくりもの13


「まあ、小さなまゆ玉だこと。
でもなんて美しいまゆ玉なの。
こんなまゆ玉はみたことがないわ。
だれがおいていったのかしら」
おばあさんはまゆ玉を手にのせる
と、娘とまごのいる部屋へとんで
いきました。



「今縁側でね、このまゆ玉をみつ
けたの。美しいまゆ玉ね。
そうそう、この子の名前だけど、まゆ
となづけたらどうかしら。
真の優しさと書いて、まゆと読むのよ」
おばあさんは娘にいいました。



「まゆ・・まゆ・・まゆ。
かあちゃん、まゆってすてきな
名前ね」
女の子のおかあさんはそういって、
おばあさんから黄金色のまゆ玉を
受け取りました。



「あなたの名前はまゆよ。
いい名前でしょ。このまゆ玉のよ
うに美しく、やさしい人になってね」
そういいながら、おかあさんはま
ゆ玉を女の子の枕元におきました。 


              つづく



「風の神様からのおくりもの」は、
みほようこの初めての童話集・
「風の神様からのおくりもの」に
収録されています。







心を病む兄のために、明神様にお参
りする心優しい少女の話など4編。


信州諏訪の「風の神様」から聞いた
お話。
挿絵は長野博一先生。
心温まる創作童話。



風の神様からのおくりもの―諏訪の童話

風の神様からのおくりもの―諏訪の童話




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