風の神様からのおくりもの


 風の神様からのおくりもの17


八ヶ月がすぎました。
まゆはまだ首がすわりません。
だきあげると、首がぐにゃっとし
ます。ねがえりもまだできません。



まゆができることは、優しいことば
をかけると、うれしそうににっこり
とほほえむだけでした。



「まゆ、おはよう。元気かな。
今日はとても良い天気だよ」
「まゆ、散歩に行こうね。外は気
持がいいよ」



「まゆ、体をふいてあげるね。
ほら、気持がいいでしょ」
おとうさんとおかあさんは、毎日
まゆにむかって、優しいことばを
かけました。



ある日、おかあさんは真っ黒だっ
たまゆ玉が、灰色に変わっている
のに気がつきました。
そういえば、まゆのひとみもだん
だん明るくなってきたような気が
します。


             つづく



「風の神様からのおくりもの」は、
みほようこの初めての童話集・
「風の神様からのおくりもの」に
収録されています。







心を病む兄のために、明神様にお参
りする心優しい少女の話など4編。


信州諏訪の「風の神様」から聞いた
お話。
挿絵は長野博一先生。
心温まる創作童話。



風の神様からのおくりもの―諏訪の童話

風の神様からのおくりもの―諏訪の童話




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