風の神様からのおくりもの


 風の神様からのおくりもの18


一方、風の神様も毎日まゆのこと
を心配していました。
「あーあ、せっかくのまゆ玉があ
んなに真っ黒になってしまって…。
かなしいのー。いつになったら、
黄金色のまゆ玉にもどるのだろうか」



「両親は毎日まゆに優しいことば
をかけておる。
なかなかできないことじゃのー。
そうそう、もっともっとたくさん、
まゆに優しいことばをかけておやり。
それが何よりの薬なのじゃ」と。



一年がすぎました。
まゆと同じ頃生まれたこどもは、ど
の子もつかまりだちができました。
発育の良いこどもは、もうくつをは
いて外を歩いています。



でもまゆはぺたんとねているだけです。
ねがえりすらうてません。
おかあさんはよそのこどもをみるたび
に、胸がちくりと痛みます。


              つづく



「風の神様からのおくりもの」は、
みほようこの初めての童話集・
「風の神様からのおくりもの」に
収録されています。







心を病む兄のために、明神様にお参
りする心優しい少女の話など4編。


信州諏訪の「風の神様」から聞いた
お話。
挿絵は長野博一先生。
心温まる創作童話。



風の神様からのおくりもの―諏訪の童話

風の神様からのおくりもの―諏訪の童話




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