風の神様からのおくりもの


 風の神様からのおくりもの21


数日後、まゆはつかまりだちがで
きるようになりました。



まゆ玉は一日毎に輝きをまし、ま
ゆが生まれた日のように、きらっ
きらっと黄金色に輝いています。
小さかったまゆ玉も、普通のまゆ
玉位に大きくなりました。



八月八日午後。
夕立がやんだので、おかあさんは
まゆをだいて外に出ました。
まゆが下におろしてほしいとせが
むので、まゆを下に下ろしました。



するとどうでしょう。
まゆが何もつかまらずに、しっか
りと自分の足で立ったのです。
立っただけでなく、ゆっくりと一
歩歩いたのです。



「まゆが歩いた、まゆが歩いたのよ」
おかあさんは大声でさけびました。 
まゆはにこにこしながら、ゆっくり
ゆっくり五歩ほど歩きました。


            つづく



「風の神様からのおくりもの」は、
みほようこの初めての童話集・
「風の神様からのおくりもの」に
収録されています。







心を病む兄のために、明神様にお参
りする心優しい少女の話など4編。


信州諏訪の「風の神様」から聞いた
お話。
挿絵は長野博一先生。
心温まる創作童話。



風の神様からのおくりもの―諏訪の童話

風の神様からのおくりもの―諏訪の童話




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