かきつばたになった少女


 かきつばたになった少女18


「かきつばたさん、どうしたの?」
山彦が心配して近づいてきました。
「山彦さんは、私の顔はとても美し
いといったけれど、本当はみるにた
えないみにくい顔だったのね」



「そんなことはない。
きみの顔は、女神さまのように美しい。
まぶしいくらいの美しさだ」
「山彦さん、おせじをいわないで」



「本当だよ。きみの顔は、なんとも
いえない優しい顔だ。
きみの心の優しさが、そのまま顔に
でている」
「でも・・・今水面に顔をうつしてみ
たら、私はとてもみにくい顔をしてい
たわ」


    つづく



     昨日の分は、こちら。


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20090322#p1




「かきつばたになった少女」は、
霧ケ峰高原の八島湿原に咲いている
かきつばたのお話。



「かきつばたになった少女」は、みほ
ようこの四冊目の童話集「ライオン
めざめる」に、収録されています。



童話集「ライオンめざめる」は、
2006年10月、「鳥影社」
から発行されました。





    童話集「ライオンめざめる」


http://www.geocities.jp/dowakan/douwasyuu4.html